【コミケ/マスコミ】 「10万人の宮崎勤」報道はあったのか? 検証も証拠見つからず 東海林さん「言うはずがありません」

「10万人の宮崎勤」はあったのか?(dragoner) - 個人 - Yahoo!ニュース
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dragoner | ブロガー/見習い猟師(石動竜仁)
9/29(金) 17:00

コミケの受難とひとつの"うわさ"
 世界最大規模の同人誌即売会コミックマーケット(通称コミケ)が今夏も開催されました。92回目を迎えた今回は、3日の開催期間中にのべ3万2千のサークル(団体)が参加、50万人が来場し、会場の東京ビッグサイトは大盛況でした。

 現在、第一線で活躍する漫画家・小説家の中にも、コミケ同人活動していた作家は多く、まさにクリエイターのゆりかごのような存在と言えるでしょう。

 そんなコミケにも、受難の時代がありました。1988年から1989年にかけて日本を騒がせた幼女連続誘拐殺人事件で宮崎勤元死刑囚(2008年執行)が1989年に逮捕され、元死刑囚が収集していた本やビデオが山積みの部屋が報じられると、宮崎の"オタク"という属性に世間の注目が集まりました。そして、宮崎が過去にコミケにサークル参加していたため、報道直後に開かれたコミックマーケット36には、メディアが取材に殺到しました。

 そういった受難の時代を象徴する、一つの「うわさ」があります。コミケ会場を取材したあるテレビ番組のレポーターが、来場者を前に「ここに10万人の宮崎勤がいます!」と伝えたというものです。このうわさは特に2000年代に入ってネット等で、当時のオタクへバッシングの象徴的出来事として広がりを見せました。

 その後有志により発言が実在するか検証がたびたび進められ、その結果、確たる証拠がなかったことから、この問題はうわさに過ぎないではないかという見解がある程度広がっていました。そのはずでした。

 ところが今年、オタク文化に詳しい大手新聞社記者が、SNS上で「あの差別的発言をした女性レポーターは徹底的に糾弾されていい。」と発言しているのを目にしました。記者なら知られていない事情を知っているかもしれないと質問を送ってみましたが、返答は得られていません。記者がどんな認識の上で、この発言をしたかは不明のままです。

 情報のプロであるはずの新聞記者までうわさを信じていることに軽く衝撃を受けた私は、このうわさは果たして本当なのかを調べてみることにしました。