【シンポジウム】性犯罪の被害について考えるシンポジウム 法改正求める声相次ぐ

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9月30日 20時31分

性犯罪の被害について考えるシンポジウムが東京で開かれ、参加者からは、今の刑法のままでは加害者が職場の上司や学校の教師だと罪を免れてしまうケースがあるとして、改正を検討すべきだという意見が出ました。

暴力を受けた被害者を支援する団体などが東京・文京区で開いたシンポジウムでは、性犯罪をなくすにはどのような法整備が必要なのか、被害者や法律の専門家などが話し合いました。

刑法では、加害者が暴行や脅迫によって被害者を脅した場合でなければ罪に問うことはできませんが、ことし一部の規定が改正され、親が子どもに乱暴した場合など、被害者の生活を支える立場を悪用した場合は暴行や脅迫行為がなくても罪に問えるようになりました。

しかし、参加者からは、職場の上司や学校の教師など強い立場の人物が相手だと抵抗できないケースがあるという指摘が出ました。このため、被害の実態を踏まえて今後も法改正を検討すべきだという意見が相次ぎました。

シンポジウムの司会を務めたお茶の水女子大学戒能民江名誉教授は「暴行や脅迫をしなくても性暴力をふるうことはできるので、刑法改正の課題はたくさんある」と話していました。