【ノーベル賞】初の日本人4年連続受賞なるか、医学・生理学賞で期待かかる 10月2日から各賞発表

10月2日から今年のノーベル賞の各賞が発表される。
日本人が受賞すれば初の4年連続の快挙で、期待は高まっている。
医学・生理学賞(2日)、物理学賞(3日)、化学賞(4日)について受賞の行方を占ってみた。

医学・生理学賞 がん免疫治療薬の本庶佑氏が筆頭

昨年は大隅良典氏が単独で受賞した医学・生理学賞。
一昨年は大村智氏が受賞しており、今年も日本人が受賞すれば3年連続になる。

授賞対象の研究分野は基礎医学から臨床医学、薬の開発、体の機能に関する生理学など非常に幅広く、予想は難しい。
がんや免疫学が今年の対象となった場合は、日本人の受賞に期待がかかる。

筆頭は京都大特別教授の本庶佑氏だ。
免疫を抑えるタンパク質「PD-1」を発見し、この働きを阻害することで、がん免疫治療薬「オプジーボ」の開発につなげた。
免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれる薬の一つで、多くの種類のがんに高い効果があり、従来の抗がん剤の弱点を克服する画期的な薬との評価が高い。
受賞する場合、免疫チェックポイント阻害薬の研究を開拓した米テキサス州立大のジェームズ・アリソン博士との共同受賞が予想される。

免疫分野では大阪大特任教授の坂口志文氏も国際的に高い評価を受けている。
免疫に関わるリンパ球の一種で、免疫を抑制する働きを持つ「制御性T細胞」を発見し、免疫学の新たな扉を開いた。
ノーベル賞の登竜門とされるカナダのガードナー国際賞のほか、今年はスウェーデンクラフォード賞を受賞した。

京都大教授の森和俊氏も受賞の呼び声が高い。
異常な形のタンパク質を排除する「小胞体ストレス応答」の仕組みを遺伝子レベルで解明した。ガードナー国際賞と、著名な米ラスカー賞を既に受賞している。

ただ、ノーベル賞は同じ分野の研究に続けて授与しない慣例があり、
森氏は昨年の大隅氏と同じ細胞生物学の研究者のため、受賞は来年以降に持ち越される公算が大きい。

高脂血症治療薬「スタチン」を開発した東京農工大特別栄誉教授の遠藤章氏もラスカー賞に加え、今年はガードナー国際賞を受賞した。

遺伝子を自在に改変できる「ゲノム編集」の開発で米仏の研究者が受賞するとの見方も強い。
その場合、技術の基礎となる遺伝子配列を発見した九州大教授の石野良純氏らが共同受賞する可能性もある。

物理学賞 重力波が大本命

物理学賞は物質の性質を研究する物性分野と、素粒子・宇宙分野がほぼ交互に受賞する傾向がある。
昨年は物性分野の「トポロジカル物質」が選ばれたため、今年は素粒子・宇宙分野の可能性が高い。

慣例を破って物性分野から連続で選ばれる場合は、日本人が受賞する可能性もある。
世界最強の磁力を発揮する「ネオジム磁石」を開発した大同特殊鋼顧問の佐川真人氏、鉄系超電導物質を発見した東京工業大教授の細野秀雄氏、
電気と磁石の性質を併せ持つ未来の電子材料「マルチフェロイック物質」の研究で成果を挙げた理化学研究所グループディレクターの十倉好紀氏らが有力視されている。

化学賞 光合成研究の神谷信夫氏に注目

化学賞は有機化学、生化学、分析化学、理論などの分野があり、昨年は有機化学の一つである分子機械の研究に授与された。
生化学は生物に関連する物質の構造や反応を研究する学問で、分子生物学の発展を背景に授賞が増加する傾向にあり、今年は生化学から選ばれる可能性が高そうだ。

欧米が比較的強い分野だが、大阪市立大教授の神谷信夫氏の光合成研究は世界的に注目されている。
岡山大教授で中国籍の沈建仁氏と共同で、光合成の仕組みで最後の謎とされた「光化学系2」と呼ばれるタンパク質複合体の構造を解明。
その内部にあり、水を分解する際に働く触媒の構造も明らかにした。

 一方、日本のお家芸とされる有機化学分野では、複数の有力候補者がいる。
中部大教授の山本尚氏は有機物を効率的に合成できる「分子性触媒」の開発で知られ、
01年の化学賞に輝いた野依良治氏も受賞した米ロジャーアダムス賞を今年受賞するなど、国際的な評価を高めている。

炭素同士を結合させて有機化合物を作る新たな合成法を開発した東京大名誉教授の向山光昭氏、
効率に優れる合成法を開発した東大名誉教授の柴崎正勝氏、炭素と水素の結合を切断する実用的な合成法を開拓した大阪大名誉教授の村井真二氏の受賞も期待されている。

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