共産党、民進党が「非自民・反共産」を旗印とする希望の党への合流を決断したことに怒りが収まらない

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170930-00000057-san-pol

 共産党は、共闘を進めてきた民進党の「背信行為」(志位和夫委員長)に怒りを募らせている。希望の党公認で衆院選に出馬する民進党出身者の選挙区に対抗馬を擁立する考えだ。29日は希望の党と一線を画す社民党と11都府県20選挙区で候補者一本化に合意した。希望の党に入らない民進党出身者も支援する考えで、激しく揺さぶっている。

 「野党第一党がこんなに無残な形でプライドを投げ捨てていいのか。候補者が希望の党の公認になった場合は、共産党は原則公認候補を擁立する」

 志位氏は29日、横浜市での街頭演説でこう明言し、野党共闘をほごにした民進党を猛批判した。希望の党を「自民党政治の補完勢力に他ならない」ともこき下ろした。

 共産党は260選挙区近くで候補を内定していた。これまで与野党1対1の構図を作ることが重要だとして、民進党と重複する200以上の選挙区で調整を行い、接戦区を中心に候補を下ろす構えだった。

 それだけに民進党が「非自民・反共産」を旗印とする希望の党への合流を決断したことに怒りが収まらない。希望の党民共など4野党が「廃止」で合意した安全保障関連法を容認し、志位氏は「(民進党希望の党に)屈すれば大きな政治的変節だ」と批判した。

 共産党は手をこまねいてはいない。志位氏は記者団に「こういう状況でも共闘の立場に立つ政党や議員、候補者と連携はしっかりしたい」と強調し、希望の党に入らない民進党出身者との候補者調整に言及した。

 小池晃書記局長は29日の記者会見で、社民党と競合していた7選挙区で候補を撤回すると明らかにした。各選挙区には共産党票が約2万票あるとされ、これを武器に、希望の党になびく勢力を切り崩す考えだ。

 一方、党熊本県委員会は29日、熊本2、4区に予定した候補の取り下げを発表した。4区には希望の党に公認申請する民進党系の元職がいるが、地元組織による従来の選挙協力合意を優先した。公示が迫る中、希望への「刺客」作戦を徹底できず、混乱も際立っている。 (水内茂幸)